2025年度みなかみスタディツアー 2日目
2025.08.28
【自然コース】
2日目は草原にて調査を行いました。主な調査は、希少な草原性草本がどれだけの数あるのかを調べました。みなかみは東京に比べると涼しいですが、日が当たると暑く大変な調査もありました。フィールドでデータを取るというのは、こうした大変さもあることを経験できました。
草原での調査のひとときにはトンボやバッタの調査もしました。
腰まである草をかき分けて調査をすることもありました。
植生保護の調査のためにシカ柵を設置します。きちんと3m四方にするにはどのようにすればよいか、相談しながら行いました。
シカ柵を設置する中での植生調査。1m四方のコドラートを作り、種名、被度、草丈を記録しました。
シカ柵の仕上げにネットをつける様子。シカ柵を設置するという貴重な体験ができました。
作成したシカ柵の前で記念撮影。来年はどのような植生になっているか楽しみです。
【社会コース】
今日は温泉街での活動。これまでの2年間の活動および先日の東京大学都市デザイン研究室との意見交換会などを踏まえ,温泉街衰退の原因,再生の道とその課題について海城生独自の仮説を立て,調査します。
温泉街に到着後,すぐに朝の清掃活動にあいつをして飛び入り参加。丸一日,町の中で活動したり聞き込み調査する上で,自分たちの存在を知ってもらい,関係をつくっておくことは大切です。清掃をしながら住民の方々と会話を弾ませ,昼間の聞き込み調査のアポ取りをしている生徒たちも多く見られ,中学時代に社会I・II・Ⅲで鍛えられたコミュニケーション力が発揮されていました。
午前中はフィールドワーク。今回は温泉街の和菓子屋の店主さんが案内してくれました。初参加の生徒はまずは温泉街の現状を観察,リピーターはこの1年間で変化したところと進展がなったところなどに注目しながら歩きました。修築されない古い旅館や空き店舗などが見受けられた一方,移住者などによる新たなお店が誕生したり,産官学金連携の再生プロジェクトの中枢である古い大型旅館旧一葉亭の解体(減築)がある程度完了しているなど,変化も見られました。
温泉街の古い空き店舗をリノベーションし,新たにゲストハウスを開業しようとする移住者と出会い,そのリノベ作業を少しばかりお手伝いさせていただきました。一緒に作業をすることで少しずつ距離を縮め,生徒たちは移住者から温泉街の魅力や苦労話など様々な体験談を聞き出しているようでした。ところで,海城生は積極性やコミュニケーション力は身についていても,工作活動は少々苦手なようです…。
この日は,温泉街でゲストハウス「ほとり」を営む移住者・田宮さんに協力していただき,フィールドワーク後は「ほとり」のコワーキングスペースをお借りして昼食タイム。食後の休憩時間は休むことなく,リピーター生徒が以前訪れたお気に入りの場所に初参加生徒を案内するなど本当に活動的でした。
「ほとり」に戻ってくると,まちを観察した印象や午前中に出会った方々とのお話の内容などを踏まえ,午後の活動に向けて生徒間でディスカッション。その結果,「この温泉街には再生に向けて,古くからの住民と移住者の間に見えない壁や温度差,方向性の微妙な違いがあるのではないか」という仮説を立て,午後は聞き取り調査により,その詳細や原因を探ることとしました。
2人1組になって聞き取り調査開始。朝の清掃活動でアポ取りをした生徒はその方のもとへ。他の生徒は,温泉街の商店,温泉,交流館などに出向いて趣旨を丁寧に説明した上でインタビューを実施。中には裏路地の民家にアタックした生徒も。また,昔ながらの射的場の店主と仲良くなり,インタビューの合間にちゃっかり遊ばせてもらっている生徒も…。
「ほとり」に再び集まると,それぞれが収集したリアルな声をぶつけ合わせ,昼間に立てた仮説を検証。すると,意外にも移住者と古くからの住民の間の意識の差はまったくないわけではないが,双方がかなり好意的に交わっている様子が浮かび上がり,一方で若者と高齢者の間の壁の方がむしろ大きな課題ではないかという結論に至ったようです。
ここで「ほとり」側から,熱心に取り組む海城生に「ツアーの成果報告や何か継続的に調査したいことがあればお店を利用してもよい」という大変ありがたい提案をいただきました。生徒たちは大変喜び,残された滞在時間で何とか成果を形にしようと,いっそう議論に熱が帯びていきました。そして,「ほとり」やお祭り(マルシェ)で自作のアンケートポスターを掲示し,「温泉街再生に関する意識調査」を一定期間実施する案が持ち上がりました(後日報告予定)。
旅館までの帰路は社会勉強の一環で公共交通機関(鉄道,路線バス)を利用。後閑駅で下車後,旅館方面までのバスの到着まで40分ほどあったので,かつてこのツアーで訪ねた駅ナカ学習室に顔を出してみました。無人駅化され,空いた駅員室の有効活用として,地域の子どもたちのために自習室として活用するというユニークな取り組みです。ここを管理する地域おこし協力隊の方や自習室を利用していた地元の高校生たちと思いがけず短時間の交流を楽しみつつ,互いの学習環境の違いに思いを寄せていました。このような予期しない出会いも旅の醍醐味です。
この1日,リアルな社会を舞台とした私たちの学習活動ために時間を割いて下さったみなかみ町の多くの方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。